鈴姫戦記 ~ふたつの悲しい恋物語~
そして──。
それはムギに当たると、まばゆい光を発し、炸裂した──。
──ドガアァァァッッ!!
空気を裂くような、爆発と同時に、台風級の風があたしたちを襲った。
あまりの眩しさに、目は一ミリも開かない。
あたしは、なにをしているのかすら、考えている余裕もないくらい、身体を吹き飛ばされないようにするのに精一杯だった。
『ありがとう・・・・・・』
そんな声が、耳もとで聞こえた気がした。