鈴姫戦記 ~ふたつの悲しい恋物語~
わかっていたけど。
もう、ムギとは会えないんだね。
それが、ムギの幸せだとわかっていても、やっぱり悲しいよ・・・・・・。
他の人に、ムギの最期は渡したくはなかった。
ムギが、死ぬのなら、それはあたしのせいにする。
ムギは、もう頑張ったんだよ。
だから、彰さんと幸せになってね・・・・・・。
最後の言葉・・・・・・あれ、ムギの言葉だったんだって、信じていい?
『ありがとう』
あの言葉は、胸に染み付いて、離れない。
こうして、何世紀にも渡った、哀しい一人の少女の運命と、恋物語は終わりを告げた。