鈴姫戦記 ~ふたつの悲しい恋物語~





 戦いが終わって、曾爾たちは過去へ戻ることになった。


 けれど、双子は全ての力を失い、変身できなくなっていた。


 過去へ戻るのは、変身していないと、まだ幼い双子には負担になる。


 困っていたとき、曾於がある提案をした。


 それが・・・・・・。


『こちらの時代に住む』


 ということだった。


 理由ももちろんあって・・・・・・。


 それは、



「お父さんとお母さんが欲しいから」



 と、



「曾爾たちが過去へ戻らないことによって、お父さんたちが、過去生まれることになる」



 と、いうことだった。


 一つめは、すんなり理解できた。


 でも、二つめは、頭を捻った。  


 曾於曰く、曾爾たちが過去へ戻らないことで、過去で双子は行方不明となり、次の番人である、鈴姫と、千が生まれてくる、ということらしい。


 曾爾たちが、お母さんたちの一代前の番人ということを、忘れていた。


 番人は、一代前の番人がいなくなることで、生み出されるからだ。


 お父さんたちを生み出すには、曾爾たちが過去にいると、矛盾が生まれてしまう。


 双子の懇願により、お父さんは双子を養子にとることにした。


 双子は、


『黒木 曾爾』



 と、



『黒木 曾於』



 として、あたしの妹、弟として過ごしている。




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