鈴姫戦記 ~ふたつの悲しい恋物語~





「ふーっ、はぁ、は・・・・・・!」



 し、死ぬ・・・・・・!


 遅刻したくないため、全速力で通学路を駆け抜けたあたしは、息が絶え絶えで大変だった。


 膝に手を置き、肩で息をする。


 パタパタとワイシャツの首もとを扇ぐ。


 首もとを扇ぎながら、あたしは顔を上げた。


 昇降口には、登校してきたばかりの生徒がたくさん騒いでいる。


 遅刻した人、まだいっぱいいそう・・・・・・。


 フラフラになった身体をなんとか動かして、あたしは教室へと向かった。




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