鈴姫戦記 ~ふたつの悲しい恋物語~
夏休みが終わっても、まだまだ残暑が続いている。
もー、なんとかならないのかな?
遅刻しそうなのに、もう動くこともイヤになってしまって、廊下をダラダラと進む。
ふに。
Why?
不思議な感触に、音がした下を見ると・・・・・・。
「ぎゃああぁぁぁっっ!」
人が、倒れていた。
「だ、だ、大丈夫ですかっ!?」
それに気付かなかったあたしは、倒れていた彼女を踏み付けてしまったらしい。
慌てて彼女を抱き起こす。
「・・・・・・・・・・・・」
けれど、返事はない。
しかし、顔色もよく、寝ているだけのようだ。
証拠に、
「・・・・・・むにゃ、・・・・・・くん・・・・・・」
誰かの名前を呼んでいる。
『くん』だし、彼氏とか?
彼女をおぶり、保健室へと行こうとする。
この子、ニヤニヤしてる。
そんなに彼氏さんが好きなのかな。
そして、彼女の次の言葉に衝撃を受けた。
「──こうはくん・・・・・・」
・・・・・・は?