鈴姫戦記 ~ふたつの悲しい恋物語~





「・・・・・・なに? りん、お前、泣いてんの?」



 絖覇があたしに近づいてきたのが、気配でわかった。


 ハッと顔を上げれば・・・・・・なぜかニヤリと口角を上げている絖覇がいる。



「──バカ」



「は?」



「バカって言ってんの!


 本当にバカ絖覇!! もう、絖覇なんて知らない!」



「・・・・・・はあぁぁぁあ?」



──キーンコーンカーンコーン。



 あたしは、予鈴と共に、教室を飛び出した。



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