鈴姫戦記 ~ふたつの悲しい恋物語~





 すずかは、ムギの犯した罪によって、力を奪われ、眠っているという。


 もう、すでにムギは俺たちの娘──りんに倒され、すずかは、起きるはずだった。


 けれど、彼女はその瞳を開けてはくれない。



「すずか・・・・・・」



 すずかの頭を撫でながら、俺は彼女の名を呼ぶ。


 すずかは、俺がずっと探していた人だった。


 すずかの前世は鈴姫。


 俺の、恋人だった。


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