鈴姫戦記 ~ふたつの悲しい恋物語~




 彼女は、宙を浮いていて、お父さんの前に来ると床に降り立った。




「あなたが・・・・・・伝説の鈴、ですか?」



 声が震えてしまう。


 彼女は、こちらに気づくと、フワリと妖艶な笑みを浮かべた。




「ええ、あなたは・・・・・・すずかと千の子供?」



「はい」



「まあ!


 大きくなったのね」



 彼女の顔が、パアッと明るくなった。


 あたしのこと、知ってるんだ・・・・・・。



「すまない。


 早く本題に入ってもいいか?


 緊急事態なんだ」




 お父さんが横から入ったため、彼女の質問ぜめは止まる。


 よ、よかった・・・・・・。



 そして、お父さんは伝説の鈴をお母さんの元へと連れていく。



 彼女は、お母さんを見るなり、絶句した。



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