鈴姫戦記 ~ふたつの悲しい恋物語~




 世界最強の力が、効かなかった。


 あたしの祈りが、足りなかったの?


 でも・・・・・・。



「り、ん・・・・・・」



「喋らないで」



 伝説の鈴の掠れた声を、絖覇が遮る。


 涙が溢れそうになるのを堪えて、あたしは彼女のもとへと急いだ。



「なん、ですか?」



「あなたの、祈りはとてつもなく・・・・・・強大なものだった。


 でも、問題は、私・・・・・・。


 いつものように、力が使えなかった・・・・・・」


 
 それは、どういうこと?


 祈りはあったのに、伝説の鈴は力が使えなかった。


 それは、どういう意味が・・・・・・。


 彼女は、気を失ってしまった。



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