鈴姫戦記 ~ふたつの悲しい恋物語~
「話が・・・・・・あるの」
「話・・・・・・?」
絖覇もあたしの隣に座って、伝説の鈴の話に耳を傾けた。
「私・・・・・・過去に戻りたいの」
「・・・・・・へっ」
突然の発言に、マヌケな声が出て、絖覇にニヤニヤとした顔で見られて顔が真っ赤になった。
「どういうことですか、過去に戻りたいなんて・・・・・・」
伝説の鈴はゆっくりと話してくれる。
「・・・・・・どうしてかは、まだ詳しくは言えない。
けど、力が使えない理由は過去にあるから」
確信は、あるってことだよね。
まだ言えないことって、なにか過去にあったの・・・・・・?
話しているときの彼女の瞳に、一瞬だけ、悲しみの色が灯ったことを見逃さなかった。
「それで・・・・・・いつ行くんですか」
「それは・・・・・・」
「ちょっといいか」
「えっ・・・・・・」
伝説の鈴が言いかけたとき、再びドアが開いてお父さんが彼女の言葉を遮った。