鈴姫戦記 ~ふたつの悲しい恋物語~





「話が・・・・・・あるの」



「話・・・・・・?」




 絖覇もあたしの隣に座って、伝説の鈴の話に耳を傾けた。






「私・・・・・・過去に戻りたいの」



「・・・・・・へっ」



 突然の発言に、マヌケな声が出て、絖覇にニヤニヤとした顔で見られて顔が真っ赤になった。



「どういうことですか、過去に戻りたいなんて・・・・・・」


 
 伝説の鈴はゆっくりと話してくれる。




「・・・・・・どうしてかは、まだ詳しくは言えない。



 けど、力が使えない理由は過去にあるから」



 確信は、あるってことだよね。


 まだ言えないことって、なにか過去にあったの・・・・・・?


 話しているときの彼女の瞳に、一瞬だけ、悲しみの色が灯ったことを見逃さなかった。



「それで・・・・・・いつ行くんですか」



「それは・・・・・・」



「ちょっといいか」



「えっ・・・・・・」




 伝説の鈴が言いかけたとき、再びドアが開いてお父さんが彼女の言葉を遮った。




< 67 / 445 >

この作品をシェア

pagetop