鈴姫戦記 ~ふたつの悲しい恋物語~






 そんなあたしを現実に引き戻したのは、クスリと笑った伝説の鈴の声だった。



 




「──あら? 


 二人とも、仲がいいのね。


 まるで、昔のすずかと千を見てるみたい」




「なっ・・・・・・!」



 何を言ってるの、この人!


 あたしと絖覇、仲よくないし、昔のお父さんとお母さんみたいって・・・・・・。


 それって、恋人同士ってこと!?


 ないないないない!


 ありえないって、こんなやつ!





 慌ててプルプルと頭を左右に振って、反対するけど、彼女はクスクスと小さく笑い続けた。





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