鈴姫戦記 ~ふたつの悲しい恋物語~




 そんな喧嘩まで可愛い二人を笑いながら見ていると、隣にムギが来ていた。



「あの二人、霊力強いですね。


 曾於はとてつもなく強いけど、曾爾も、普通に霊力を持っている人に比べたら強い」



 絖覇がポツリと呟いた。


 それにムギは頷く。



「あの双子の霊力は強いわ。


 だっては二人は──









 私を守る『番人』だから」




 番人・・・・・・?


 それって・・・・・・。


 お父さんとお母さんもそうだった、お母さんが鈴姫としていたころの・・・・・・!


 まさか、こんな小さな子が・・・・・・?



 でも、意識すると双子から感じる霊力はとてつもなく強い威力だった。



 本当なんだ・・・・・・。



「彼らは、すずかと千の一代前の番人たちよ」



「えっ・・・・・・」



 お母さんたちの、一代前?


 つまり、先輩?



「今日はこの双子に用があって来たのよ」



 ムギはそういうと、まだ喧嘩の続いている双子に目を向けた。


 
 その瞳に映るものは、なぜだかとても悲しみに溢れているように感じた。






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