鈴姫戦記 ~ふたつの悲しい恋物語~





「ぎゃ━━っ!


 これなに!?」



 突然現れた鎖に曾爾はバタバタと脚を振り回して、叫んだ。


 一方、曾於はジッと光で出来た鎖を見つめている。



「これ──ムギが作ったやつだね」



 曾於が自慢げにそういうと、ムギは眉間にシワを寄せる。


 そして、さっきついたのより大きな溜め息をついた。



「そうよ。


 だって、あのまま止めなかったら霊力とか使って大変なことになりそうだったじゃない。


 あなたたちが暴れるとどうなるかわかるでしょう?


 ここの祠は全部破壊されてしまうわ」



 少し声音を低くして言ったムギに双子は「ゴメンなさい」と頭を下げた。


 ムギ、双子のお母さんみたい・・・・・・。


< 79 / 445 >

この作品をシェア

pagetop