鈴姫戦記 ~ふたつの悲しい恋物語~
それに・・・・・・二人が暴れると祠が壊れるって・・・・・・。
その言葉に双子の強さを思い知る。
「この双子──つまり『番人』には、私の力を倍増させてくれる力があるの」
そう、ムギは言い放った。
番人が、ムギの力を倍増させる?
「私の霊力は、強いけど・・・・・・祈りがなければこの双子以下になってしまう」
つまり・・・・・・双子の傍にいれば、ムギの──ムギ自身の力は強くなる。
ムギは、力が使えなかったから、力を補給するためにここに来た──。
そう自分の中で解釈した。
隣でも、絖覇は納得したような顔をしている。
「もう喧嘩はしないのよ?」
ムギが、そういうと、
「「はーい!」」
美少女、美少年の双子は無邪気に笑った。
可愛い・・・・・・じゃなくて!
絶対この双子、喧嘩しないなんてありえなさそうなんだけど・・・・・・。
無邪気な笑顔に騙されるとこだった!
そして、ムギは双子に村に帰るように促す。
そしてそれを知ると曾爾は、
「えーっ!
もうムギ、帰っちゃうの?」
ヤダヤダと顔を降ると、その大きな黄緑色の瞳に大きな雫を貯めた。
そして、ムギの腰辺りにしがみつく。
一見クールそうな曾於さえも、
「久しぶりに会ったのに、行かないで!」
そういって曾爾とは反対側からムギに抱き着いた。