鈴姫戦記 ~ふたつの悲しい恋物語~
「二人とも・・・・・・」
ムギは困り顔で、眉を下げた。
曾爾も曾於も、ムギの事大好きなんだ・・・・・・。
ギューッと抱き着いて離れない双子をムギも強く抱きしめ返す。
まるで兄弟みたい。
「ゴメンなさい。
でも、帰らなくちゃいけないの。
あなたたちにも、わかるでしょう?
──人の命が、懸かっているから」
「それは・・・・・・」
「わかってるよ・・・・・・」
双子はシュン・・・・・・としてしまう。
この二人も、人を守るから、一番わかっているのだろう。
それでも、
“久しぶりに会ったお姉ちゃんとは離れたくない”
そんな想いが、そのキレイな顔に滲み出ていた。