鈴姫戦記 ~ふたつの悲しい恋物語~
あたしには一人っ子だし、従兄弟とかも年下だからお姉ちゃんとかいないから二人の気持ちはよくわからない。
それでも、久しぶりに会えた大好きな人とは少しでも長くいたいよね・・・・・・。
お母さんを早く助けたいけど、この仲のいい三人を引き離したくもない。
なんとも複雑な気持ちになってしまって、ただ三人を見つめた。
「また、すぐに会いに来るから」
「・・・・・・ほんと?」
涙でぐちゃぐちゃになった顔を上げた曾爾のキレイな青色の髪を、ムギは優しく撫でる。
「ぜっったいだよ?」
涙こそ出てはいないものの、少し声音が震えていた曾於はムギの麻色の袖をキュッと握った。
「ええ」
ムギも柔らかく微笑んで、双子をまた優しく抱きしめた。
そして、双子が帰ってあたしたちは、現代に戻ることになった。