鈴姫戦記 ~ふたつの悲しい恋物語~
繰り返して
そして、現代に帰ってきたあたしたちはすぐにお母さんたちの元へと直行した。
「りん!」
「お父さん!
お母さんは?大丈夫なの?」
「ああ、まだ寝たきりだ。
何も変わっていない」
現代に帰るとついたのは、やはりあたしの家の居間で、そこにはお父さんがテーブルについてコーヒーを飲んでいた。
外は夕焼けで赤く染まっていて、気温が少し低くなっていた。
全員でお母さんの眠っている部屋へと急ぐ。
──ガチャリ。
お父さんがドアを開くと、ひんやりとした冷たい空気が身体を覆った。
お母さん・・・・・・!
部屋に入ると、お母さんは変わらず眠り姫のように静かにそこにいた。
そして、ムギがベッドの横に立ち、あたしが祈りの構えをする。
今度こそ・・・・・・お母さんを助けてみせる!
ギュッと目をつぶった。
──パアァァア!
ムギから虹色の光が溢れ出す。