鈴姫戦記 ~ふたつの悲しい恋物語~




「──ダメ・・・・・・。



 力は使えた・・・・・・けど、これは曾爾や曾於から貰っただけの力で、やっぱり私自身の力じゃない」



 そんな・・・・・・。


 わずかに心の奥にあった淡い希望は、見事に打ち砕かれてしまった。


 もう、どうやってもお母さんを目覚めさせることは出来ないの・・・・・・?


 みんなが絶望に打ちのめされてしまう。



 他にどうやっても、もう・・・・・・!


 どうしてお母さんなの?


 お母さんはこの世界を守るために自分を犠牲にして、前世でも現代でも身体張って戦ってくれたのに。



 ねぇ、もし神がいるなら。


 教えてよ。


 どうしてお母さんなんですか?


 どうして、お母さんばかりが苦しまなくてはいけないの?
 

 どうして、



 どうして、



 どうして・・・・・・!





 どうして、運命はこんなにも残酷なの?


 なんであたしはこんなにも、無力なのですか・・・・・・?


 何も出来ないの・・・・・・?





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