鈴姫戦記 ~ふたつの悲しい恋物語~






「りん、りん!



 落ち着け!」



 遠くでお父さんの声が聞こえる。


 でも、意識が薄れてきてしまって、輪郭がぼやけてくる。


 グラついたあたしの身体を支えてくれたのは、絖覇だった。


 お父さん・・・・・・お母さん・・・・・・。





 二人の笑顔を脳裏に浮かべながら・・・・・・。



──ブツリ。



 あたしはそこで意識を失った。



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