鈴姫戦記 ~ふたつの悲しい恋物語~
『お母さん・・・・・・』
『・・・・・・なぁに?』
顔を上げると、茶色の瞳と視線がぶつかった。
『・・・・・・・・・・・・なんでもない』
そういって再びお母さんの胸に顔を埋めた。
少し目を丸くしたお母さんは、クスクスと小さく笑った。
『甘えん坊だったり、質問したのに、“なんでもない”って言ったり・・・・・・今日のりんはどうしたの?』
それでも、お母さんはあたしを離さないでいてくれた。
これが夢だとしてもお母さんに会えた。
夢の中でも会えた。
でも、あと少しだけ願っていい?
もし、これが夢なら、永遠に覚めないで・・・・・・!