鈴姫戦記 ~ふたつの悲しい恋物語~




 物心がついたころ、両親に教えられた。



 あたしには、不思議な力があると。



 それは、霊力といって、お父さんも持っている力だ。



 お母さんは持っていなくて、そのことをきいたら、お母さんは悲しそうな顔をした。



 そして・・・・・・。



「りん・・・・・・」



 あたしを優しく抱きしめてくれたんだ。



「りん、いい?


 よく聞いて。


 あなたはこの力を使いこなさなければならないわ。


 お母さんには、教えれないの。


 ・・・・・・力がないから。



 お父さんに、教えてもらって」




 その頃のあたしには、わからなかったけど、お母さんの悲しそうな雰囲気に押されて頷くしかなかった。



 それから、あたしはお父さんに霊力の使い方を教えてもらうようになった。




< 9 / 445 >

この作品をシェア

pagetop