鈍感男のその先は。
夕方の図書館は意外と空いていて、お気に入りの席もあいていた。
向かい側に座ると思っていたあいつは、あたしの隣に座った。
少し驚いていると
「ん?どうかした?」
と聞かれた。
「いや、向かい側に座ると思ってたからびっくりしちゃった」
あたしは正直にそう言った。すると、
「え、隣いやだった?」
なんて聞かれてしまった。
「嫌じゃないよ!」
と咄嗟に返すと
「ならよかった。」
と笑顔で返されてあたしが赤くなりそうだ。