切片詩集 限界セグメント
透明な影
うっすらと透明な中に
灰色の線が見える
それは水の影みたいなもので
すべての色を含んでいる
悲しくて強い者のヴィジョンが
物語の最後に映しだされる
不意打ちのような明るい背景が
漂白された残酷さを彩る
水の影が涙の跡に見える時
加害者と被害者が
同じ身体で生きていることに気づく
明滅する優しさがナイフの中で煌めく