切片詩集 限界セグメント
汚辱
汚されることをなぜ選ぶのかと聞かれ
汚いからと答える
乖離が奪う大事なものがあるから
見た目と中を近づけるんだと
いつも渇望している
潔癖症があるのなら
穢癖症もあるだろう
唾を吐かれ、土足で踏まれ
便所のように尿を撒き散らされる
その中で身を縮めながら恍惚に震えてる
体裁を作るものをこの身から奪いたい
体と心の遺伝子の中に染み付いたものを
いくら洗っても取れはしない
取れないならそれごと汚してしまえばいい
言いなりに身体を開き体液を絡めて悶える
中と外が等しくなるのに
もうどれくらい汚されたらいいんだろう
渇望とは癒えることのない底なしの欲望
生を受けたことが罪ならば
僕は笑うことを忘れた奴隷にもなろう
泥の中で許しを請うのは
見放されてる気がするからかも知れない
その言葉さえも聞き捨てられるなら
その烙印を今度生まれた時に
どうか額に押してくれないか