切片詩集 限界セグメント
暴虐の刻印
清らかさとグロテスクさを
ひとつの身体の中で味わって
自分を自分で犯すような暴虐を受け入れる
握りしめて押しつぶした嫌悪感を
どうやって取り戻せるのか見失った
喪失を思い出したくなくて狂うことを選ぶ
選ぶんじゃない、行き着いたんだ
泣いてみて不意に正気が芽吹き
自然に枯れていくのを繰り返し
かつての暴虐の源をそのたびに垣間見る
耐えていくんだ
傷は癒え、そして新たに増えていく
それでも耐えていくんだ
それを狂気だと言っても
僕は自分のしたことを忘れはしない
忘れることのない痛みをなにに変えよう?
血まみれだったこと
その鮮やかさに溺れるほど