切片詩集 限界セグメント

架空の満月

架空の傷と架空の罪に悶え
狂気と狂気で緋い月を汚す
ここに残る孤独と悲しみを
こんな風に吐き出して
何度でも何度でも高みを巻き戻して
自分を焦らして加速する陶酔の中で
本当に狂っていることを少し思い出す

横暴と高慢で誰かを追い出して
後ろ手に閉めるドア
もういい
誰も入るなよ
血を吐いて孤独に耐えた？
一体いつ僕が
そんなことを？

ほんの少しの苦笑に染まる長い時間
さあ物語を繰り返すんだ
次は架空の解放、架空の罰
もうイクよここにいない優しい君
身体だけ先に終わらせたい
するとこんな夜、不意の落雷みたいに

気がつくと泣いてるんだ