この恋、永遠に。
「やだ、どうして高科さんが謝るんですか」
「僕にも関係あるからだよ。斉藤さんが…僕に好意を持ってくれているのは知っていた。けれど僕はそれをずっと軽く受け止めていたから……冷たく突き放すわけでもなく、愛想を良くして彼女の気を持たせるような態度を取っていたのは確かなんだ。その頃の僕は周りの人間にどう思われているかを気にするあまり、誰に対してもいい顔ばかりしていたんだよ」
高科さんが自嘲気味に笑う。彼は後悔しているのだろうか。
「それでも、それは高科さんの長所だと思いますよ」
「え?」
「私は知ってのとおり、会社で親しくしてくれるような人はいませんでしたから。高科さんの存在が私を救ってくれたのは確かです」
「そっか……」
「はい」
「ありがとう。君はやっぱり優しいね」
高科さんが微笑んだ。
「斉藤さんも、君には申し訳ないことをしたと本当に反省しているよ」
「斉藤さんに会ったんですか?」
「ああ、うん。たまに会ってる。彼女は今、小さな広告代理店の営業アシスタントをやっているよ」
「そうですか」
私はほっと胸を撫で下ろした。
斉藤さんには執行猶予がついたと聞いた。一流企業のエリート部署でバリバリ働いていた彼女が、小さな広告代理店で働いているというのには少し驚いたが、新しいスタートが切れたことは喜ぶべきことなのだろう。私が今、幸せなように、彼女にも幸せになってもらいたい。
「ごめん…斉藤さんに会ってること、……知らない方が良かったよね」
高科さんが罰の悪そうな顔で項垂れた。
「え?」
「いや……彼女は君にとっては、その…憎むべき相手だろうし……」
私は左右に首を振る。
「いえ、むしろほっとしました」
「僕にも関係あるからだよ。斉藤さんが…僕に好意を持ってくれているのは知っていた。けれど僕はそれをずっと軽く受け止めていたから……冷たく突き放すわけでもなく、愛想を良くして彼女の気を持たせるような態度を取っていたのは確かなんだ。その頃の僕は周りの人間にどう思われているかを気にするあまり、誰に対してもいい顔ばかりしていたんだよ」
高科さんが自嘲気味に笑う。彼は後悔しているのだろうか。
「それでも、それは高科さんの長所だと思いますよ」
「え?」
「私は知ってのとおり、会社で親しくしてくれるような人はいませんでしたから。高科さんの存在が私を救ってくれたのは確かです」
「そっか……」
「はい」
「ありがとう。君はやっぱり優しいね」
高科さんが微笑んだ。
「斉藤さんも、君には申し訳ないことをしたと本当に反省しているよ」
「斉藤さんに会ったんですか?」
「ああ、うん。たまに会ってる。彼女は今、小さな広告代理店の営業アシスタントをやっているよ」
「そうですか」
私はほっと胸を撫で下ろした。
斉藤さんには執行猶予がついたと聞いた。一流企業のエリート部署でバリバリ働いていた彼女が、小さな広告代理店で働いているというのには少し驚いたが、新しいスタートが切れたことは喜ぶべきことなのだろう。私が今、幸せなように、彼女にも幸せになってもらいたい。
「ごめん…斉藤さんに会ってること、……知らない方が良かったよね」
高科さんが罰の悪そうな顔で項垂れた。
「え?」
「いや……彼女は君にとっては、その…憎むべき相手だろうし……」
私は左右に首を振る。
「いえ、むしろほっとしました」