この恋、永遠に。
「いや……すまない。さっきのは言い過ぎた。俺もお前には幸せでいてもらいたいんだ」

「……ああ、分かってる。言い過ぎたのは俺も同じだからね。美緒ちゃんを疑うような発言をしてしまった」

「それも正論だからな。確かに俺は彼女についてまだ知らないことの方が多い」

「でも、柊二にしてはめずらしく一人の女に執着しているね」

 孝の言葉に俺は片眉を上げた。

「気づいていない?」

「……いや」

「へえ、自覚しているんだ?驚いたな。彼女の何がそんなに良かったの?確かに可愛いけど、そんな女は、過去にもお前の周りにいっぱいいただろう?……もしかして体の相性がそれほど良かった、とか?」

「おい」

 今度怒りを顕わにするのは俺の番だった。彼女をそんな目で見られたことに嫌悪する。美緒とは触れるだけのキスを数回交わしただけで、まだそれ以上の手は出していない。確かに今までの俺ならばありえないことだったが、彼女には簡単に手を出せない、大切にしたいと思う心が働くのだ。

 孝が両手を軽く上げて降参というポーズを取った。

「悪かった。下世話なことを言って」

「いや……」

 俺は小さく首を振った。

「美緒は……大事にしたい。お前の友人だからとか、そういうのは関係なしで。さっきはあんなこと……結婚してもうまくいかないカップルが多いと言ったが、それは一般論であって、美緒に関してはそういう思考が働かないんだ。」

 俺はいったん言葉を区切る。

「………彼女のことは、大切に思っている」

 深く長い息を吐いた。

「うん」

「だから今日ここへ来た。お前がどうしてあの場で俺をけしかけたのか、それが知りたい」

 俺は孝を真正面からじっと見据えた。孝は俺が今日ここに来ると言った時点で話すことを固めていたのだろう。両腕を膝に乗せ前で手を組むと、負けじとこちらを見据える。ややあって、口を開いた。

「さっき、俺は美緒ちゃんに対して少し否定的なことをお前に言ったかもしれないけど……」

「……ああ」
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