この恋、永遠に。
 何を言っているんだ?と言わんばかりだ。彼は迷いもなく寝室の奥にある扉を開けた。
 そこはバスルームになっていた。以前私が初めて柊二さんの部屋に泊めてもらったときに使ったバスルームとは違うようだ。前は廊下の奥の部屋だった。ここは、柊二さんの寝室である。

「バスルーム、二つ、あるんですか?」

 私の質問に彼はああ、と頷いてみせた。

「美緒がこの前使ったところは来客用かな。本当はあっちがメインバスルームなんだけど、あっちはほとんど使っていないな…。普段使うのはもっぱらこっちだよ」

 そういって案内されたのは私が以前使ったところよりも若干狭いようだ。狭いと言っても私には広すぎるくらいなのだが。簡易的なパウダールームが手前にあるのは同じで、奥にバスルームがあるのだが、こちらはバスルームとシャワールームは分かれていない。同じ空間だった。同じところといえば……。

「こっちも、ガラス張りなんですね……」

 私が以前借りたバスルーム同様、こちらもパウダールームとバスルームを仕切るのは透明なガラスであった。

「ん?気になる?」

 私の反応に彼は楽しそうに目を細める。

「気になりますよ!これじゃあ丸見えじゃないですかっ……!」

「俺と美緒しかいないんだから、気にする必要ないよ。どうせ一緒に入るんだし、同じだろう?」

「そんな……」

 一緒に入るだなんて、考えてもいなかった。確かにシャワーは浴びたいけれど、彼と一緒のお風呂は、私にはまだハードルが高すぎる…。

「べ、別々にしませんか?」

「却下」

「そんな…」

「ほら、脱がせてあげるから、万歳して?」

 私を床に降ろした柊二さんは、まるで子供をあやすように私の服を脱がそうとする。こんなところで彼に脱がしてもらうなんて、恥ずかしすぎる。

「じ、自分で脱げますから……!」

 私の服を脱がそうとする柊二さんの手を両手で掴んで何とか押しとどめる。彼がニヤリと口角を上げた。

「分かった。じゃあ早くおいで」

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