イジワル王子の甘い嘘
別に、莉奈一筋なんかじゃない。
昔から一緒にいるだけ。
こんな感情になるのは、当たり前だと思ってた。
「まったく、学校中の王子様がこんなに鈍いとは……俺は泣きそうだよ?」
「何がだよ。俺のどこが鈍いんだよ」
「いや、鈍いんじゃなくて、ただ勘違いしてるだけ、か」
意味深な直樹の言葉が少し心に引っかかるけど、無視することにした。
「しっかし、もう3月かー!もうすぐ学年も上がるし、クラス替えもあるな」
「もう2年生になるって早いな」
「2年生も愛斗と同じクラスになりてーよ!だって、可愛い女子たちをたくさん拝めるし?」
「やっぱり莉奈はお前に絶対に紹介しない」
俺の一番の親友がこんなに軽い男だとは。
心の中で、莉奈を直樹から守ることを改めて誓った。