イジワル王子の甘い嘘
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高校1年生最後の学校を迎える朝は、いつもより気持ちがよかった。
いつもなら“愛斗くんの幼なじみ”というポジションにげんなりしたり、女子たちの冷たい視線を思い出して、行きたくないなあと思いながら嫌々学校に行く準備をしていたけど、
なぜか今日は、変な清々しささえもあった。
きっと、今日を耐えれば明日から春休みが始まるということが大きいんだと思う。
昨日買った文庫本を通学カバンに入れて、私は部屋を出る。
「お父さん、お母さん、おはよう」
「おはよう莉奈」
ダイニングに向かうと、コーヒーを飲みながら新聞を読んでいるお父さんと、キッチンで私のお弁当を作っているお母さんが挨拶してくれた。
「朝ご飯出来てるからね」
「ありがとうお母さん」
イスに座り、既にテーブルに置いてある朝ご飯を口に運ぶ。
今日の朝ご飯は、私の大好きなフレンチトーストとスクランブルエッグ。大好物に今日は間違いなくいい1日になると確信した。
心地よい気分にゆっくり朝ご飯を楽しんでいると、キッチンから「あ、そうそう」というお母さんの呟きが聞こえてきた。
高校1年生最後の学校を迎える朝は、いつもより気持ちがよかった。
いつもなら“愛斗くんの幼なじみ”というポジションにげんなりしたり、女子たちの冷たい視線を思い出して、行きたくないなあと思いながら嫌々学校に行く準備をしていたけど、
なぜか今日は、変な清々しささえもあった。
きっと、今日を耐えれば明日から春休みが始まるということが大きいんだと思う。
昨日買った文庫本を通学カバンに入れて、私は部屋を出る。
「お父さん、お母さん、おはよう」
「おはよう莉奈」
ダイニングに向かうと、コーヒーを飲みながら新聞を読んでいるお父さんと、キッチンで私のお弁当を作っているお母さんが挨拶してくれた。
「朝ご飯出来てるからね」
「ありがとうお母さん」
イスに座り、既にテーブルに置いてある朝ご飯を口に運ぶ。
今日の朝ご飯は、私の大好きなフレンチトーストとスクランブルエッグ。大好物に今日は間違いなくいい1日になると確信した。
心地よい気分にゆっくり朝ご飯を楽しんでいると、キッチンから「あ、そうそう」というお母さんの呟きが聞こえてきた。