イジワル王子の甘い嘘
「いつ?」
「バレンタインの日に」
「きっかけは?」
「私がチョコ渡したら、彼の方から告白してくれて」
「ずっと好きだったの?」
「って、莉奈は質問し過ぎだから!」
「ご……ごめん……」
自分のように嬉しくてつい尋問してしまった口を慌てて閉じると、結衣ちゃんはおかしそうに笑っている。
「莉奈は恋愛経験ゼロだもんね?興奮してもしょうがないか」
「興奮してないから!」
「はいはい、そういうことにしてあげる。あ、ご飯来たよ」
オムライスとハンバーグが来たところで、私と結衣ちゃんの戦いは一時休戦。
目の前に置かれたハンバーグを見て、私の食欲は一気に高まっていく。
「いただきます!」
口の中に運んだハンバーグは絶品で、思わず口から「おいしいー!」と漏れてしまった。
「莉奈はやっぱり分かりやすいね。学校が辛いとは思えない」
「うっ……」
急に学校の話を振られたもんだから、私の動きは一瞬にして止まる。
結衣ちゃんは、愛斗くんから離れようとして通り高校を選んだこと、そして結局はふたりとも同じ高校になってしまったということを知っている。
だからこうして時々会ったとき、愛斗くんの行動や周りの女子のことについて相談していた。