もう一度、あなたと…
「…ね…どうして私のこと、名前で呼んだの?」
初めてなのに、聞いたことがあるみたいだった。
流れてくる歌詞が、それと同じようなことを語ってた…。
「別に…特に理由なしです。デートなんだから、それらしくした方がいいのかなと思って。…嫌ならやめますけど…」
ズルい言い方。彼に名前を呼ばれて、嫌と言う訳がないのに…。
「いいから…別に…」
太一以外の男性に、名前で呼ばれることなんてなかった。あるとしたら、父親くらいのもの。
「…エリカって名前、可愛いですよね?誰が付けたんですか?」
早速…とばかりに使ってる。でも、不思議と嫌な気がしない…。
「名付け親はおじいちゃんなの。…初恋の人の名前なんだって、聞いたことがある」
「おじいさんのですか?」
「うん。大恋愛で…結婚の約束までしてたんだけど…出来なかったって…」
「どうして?」
「相手が病気で早死にしたの。だから縁起の悪い名前なのよ」
ははは…と笑い声が立つ。
こんな単純なことで、笑うとは思ってなかった。
「宝田君は?ひかるって名前、誰が付けてくれたの?」
「母親です。自分が追っかけしてたアイドルグループのボーカル名らしくて…」
呆れ顔してる。お母さんの話が聞けるなんて予想外だった。
「若いお母さんね!楽しくていいじゃない!」
「楽しいって言うよりハチャメチャですよ。今は韓流ドラマにハマってて、毎日テレビ漬けの日々です」
「あら、それならうちの母だって同じよ!」
「同年代…ってやつですか⁉︎ 」
「うん、きっとそう!」
思った以上に話が弾んだ。
こんなに楽しく話せる人だとは、思ってもみなかった。
「…俺…エリカさんって、もっとお堅いイメージの人かと思ってました」
話しづらさはお互い様だったみたい。向こうもホッとしてる。
「お見舞い行った時、あの杉野さんと対等に話してたし、強そうな人だな…とは思いましたけど…」
「お堅いとか、強いとか…そういうイメージばかりなのね」
「そりゃ…あまり話したこともなかったし、いつも叱られてばっかだったし…」
唇を尖らせて文句言う。そんな彼の顔は初めてだ。
「おっかしい…!」
つい噴き出す。イケ面の彼からは想像できないような子供っぽさ。
自分にしか見せないような気がして、なんだか嬉しくなった。
初めてなのに、聞いたことがあるみたいだった。
流れてくる歌詞が、それと同じようなことを語ってた…。
「別に…特に理由なしです。デートなんだから、それらしくした方がいいのかなと思って。…嫌ならやめますけど…」
ズルい言い方。彼に名前を呼ばれて、嫌と言う訳がないのに…。
「いいから…別に…」
太一以外の男性に、名前で呼ばれることなんてなかった。あるとしたら、父親くらいのもの。
「…エリカって名前、可愛いですよね?誰が付けたんですか?」
早速…とばかりに使ってる。でも、不思議と嫌な気がしない…。
「名付け親はおじいちゃんなの。…初恋の人の名前なんだって、聞いたことがある」
「おじいさんのですか?」
「うん。大恋愛で…結婚の約束までしてたんだけど…出来なかったって…」
「どうして?」
「相手が病気で早死にしたの。だから縁起の悪い名前なのよ」
ははは…と笑い声が立つ。
こんな単純なことで、笑うとは思ってなかった。
「宝田君は?ひかるって名前、誰が付けてくれたの?」
「母親です。自分が追っかけしてたアイドルグループのボーカル名らしくて…」
呆れ顔してる。お母さんの話が聞けるなんて予想外だった。
「若いお母さんね!楽しくていいじゃない!」
「楽しいって言うよりハチャメチャですよ。今は韓流ドラマにハマってて、毎日テレビ漬けの日々です」
「あら、それならうちの母だって同じよ!」
「同年代…ってやつですか⁉︎ 」
「うん、きっとそう!」
思った以上に話が弾んだ。
こんなに楽しく話せる人だとは、思ってもみなかった。
「…俺…エリカさんって、もっとお堅いイメージの人かと思ってました」
話しづらさはお互い様だったみたい。向こうもホッとしてる。
「お見舞い行った時、あの杉野さんと対等に話してたし、強そうな人だな…とは思いましたけど…」
「お堅いとか、強いとか…そういうイメージばかりなのね」
「そりゃ…あまり話したこともなかったし、いつも叱られてばっかだったし…」
唇を尖らせて文句言う。そんな彼の顔は初めてだ。
「おっかしい…!」
つい噴き出す。イケ面の彼からは想像できないような子供っぽさ。
自分にしか見せないような気がして、なんだか嬉しくなった。