今宵あなたに愛されて


噂で聞いたことがあった。
最恐の鬼がいるという【紅】というグループを。
こいつはきっとそのグループの内の一人なんだろう。


滅多に人前に現れない筈なのに、こうして今、俺の目の前にいる。


差し出された手を握り、立ち上がる。


「もっと強くなりなさい。自分や誰かを守れるくらい....」


そう言い残して俺に背を向けた。


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