俺様社長と秘密の契約
「さぁ、支度しておいで・・・

理子の部屋でスタイリストが待ってるよ・・・。
綺麗にしてもらって来てよ」

そう言って私を見つめる龍介の顔はどこか切なげに見えた。
…なぜ?

私を手に入れて、貴方は満足なんじゃないの?
おもちゃを手に入れられれば、それだけでいいんでしょう?

複雑な心境のまま、自分の部屋に行く。
…中には、本当にスタイリストがいた。

「龍介様よりこのドレスはプレゼントだそうですよ」
そう言って笑みを浮かべたスタイリスト。

…私はそのドレスを手に取ると、ジッとそれを凝視した。

純白のロングドレス。
シンプルなのに、それを着た瞬間、ドキッとした。

際どい所まで入っているスリット。
人前に出るには恥ずかしすぎる。

「・・・まぁ、とてもお似合いですよ。白い肌によく合って。
髪も、化粧も、最高に仕上げますから」

「・・・」

・・・そして間もなくして出来あがった自分に驚いてしまう。
これが私?

鏡に映った私は、まるで別人を見ているかのようだった。

「理子様は化粧映えする顔立ちですね・・・
先程と全然違う・・・龍介様も、さぞかしお喜びになられるでしょうね」

・・・そんな事を言われても、嬉しくない。
龍介なんかに喜んでなど欲しくない。

…喜んでほしいのは・・・。


「・・・流石は理子だね、とても素敵だよ」
スタイリストの言う通り、龍介は私を見て、とても嬉しそうだった。
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