俺様社長と秘密の契約
「何をする?!理子は!・・・理子は、オレの婚約者だぞ」

龍介の言葉にも、龍吾は眉一つ動かさない。

「りゅ、龍吾さん、あの…」
一体、何を考えているの?


「…理子、少し、俺に任せろ・・・いいな?」
そう言って優しく微笑んだ龍吾の顔を見て、少し、落ち着いてくる。

「理子を返せ」
龍介が龍吾を睨んだ。


「龍介、もう、子供じみた事はよせ・・・いい歳した大人が」
「?!」

龍吾の言葉に、龍介の顔が歪む。

「どうして理子が突然オレと別れる事を決めたのか?なぜ、御堂の秘書を辞めなければならなくなったのか。
・・・それはすべて、龍介、お前の仕組んだ事だろ?」

龍吾の言葉に、一瞬固まった龍介だったが、フッと笑顔を見せた。

「…そうだったら何?」
「理子は、俺の為に、何もかもを捨てた。…そして、大学での事件を俺にバレタクナイ一心だった」

その言葉に、私も、龍介も動揺を隠せない。


「…龍介、お前は知らないだろうが、いや・・・理子も覚えてはいないんだろうが」

私と龍介の顔を、龍吾が交互に見た。そして・・・


「あの事件の日、たまたま近くに居合わせたんだよ、俺が。
すんでの所で、俺は、理子を助け出した」

「…助けたのは、兄貴だった・・・のか?」

龍介の言葉に、龍吾が頷いた。
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