俺様社長と秘密の契約
…いつの間に眠ってしまったのだろう。
昨夜、創に抱き締められたことまでは覚えている。が、しかし、その後の記憶が全くない。
今理子は、自分のベッドの中だ。
…。
理子は、右手に温もりを感じた。
うっすらと目を明け呟いた。
「…龍吾さん?」
「…」
理子の目を写ったのは、切なげな瞳で理子を見つめる創だった。
…龍吾の筈がない。理子は、昨夜、龍吾と別れたのだから。
また思い出してしまい、辛くなり、涙が溢れる。
こぼれ落ちた涙を、創は指のはらで、やさしく拭った。
理子はハッとして、創の手から逃れようとした。
だが、それは出来なかった。
「…泣かないで…私を彼だと思ってくれてもいい。笑ってくれ」
片手は握りしめたまま、創は理子を抱き締めて、泣きそうな声で言った。
…そんな事、出来るわけがない。創は龍吾じゃない。
声も、体も、匂いも、何一つ、一緒じゃない。
理子は何も言わず、ただすすり泣くしかなかった。
…。
それから1週間。
理子は、泣かなくなったが、笑顔も消えてしまった。無表情に、ただ、創の隣にいた。
この状態では、創の秘書なんて、出来るわけがない。
悩んだ創は、とりあえず、外に連れ出す事を優先した。
創に見立てられた綺麗な服を着て、とあるホテルのレストランに来ていた。
昨夜、創に抱き締められたことまでは覚えている。が、しかし、その後の記憶が全くない。
今理子は、自分のベッドの中だ。
…。
理子は、右手に温もりを感じた。
うっすらと目を明け呟いた。
「…龍吾さん?」
「…」
理子の目を写ったのは、切なげな瞳で理子を見つめる創だった。
…龍吾の筈がない。理子は、昨夜、龍吾と別れたのだから。
また思い出してしまい、辛くなり、涙が溢れる。
こぼれ落ちた涙を、創は指のはらで、やさしく拭った。
理子はハッとして、創の手から逃れようとした。
だが、それは出来なかった。
「…泣かないで…私を彼だと思ってくれてもいい。笑ってくれ」
片手は握りしめたまま、創は理子を抱き締めて、泣きそうな声で言った。
…そんな事、出来るわけがない。創は龍吾じゃない。
声も、体も、匂いも、何一つ、一緒じゃない。
理子は何も言わず、ただすすり泣くしかなかった。
…。
それから1週間。
理子は、泣かなくなったが、笑顔も消えてしまった。無表情に、ただ、創の隣にいた。
この状態では、創の秘書なんて、出来るわけがない。
悩んだ創は、とりあえず、外に連れ出す事を優先した。
創に見立てられた綺麗な服を着て、とあるホテルのレストランに来ていた。