俺様社長と秘密の契約
自分の身に何が起きているのか。理子は、全く飲み込めない。

何も言えない理子を壇上に上げた創。

沢山のライト、カメラのフラッシュ。眩しくて、周りが見えない。

唯一見えるのは、理子の手を優しく握る創の姿。

理子は、創を見上げる。すると、創は、優しい笑みを浮かべた。

そんな二人を、周囲は見守っていたが、一人のある一言によって、会場中が、騒然となった。

『あれって、神宮寺会長の孫じゃなかった?』


ざわつく会場の中。

創は理子を見下ろした。

「…理子さん、アレを返す代わりに、最後の条件です」
「…え?」

「…私と生涯共に居ること」
「…」

こんなに沢山の人が居るなか、あり得ない条件を出してきた創。

断ることは出来るが、断れない理由もある。

創は分かっていた。理子が断れない事を。

「…私は」


俯いた理子は、創の手を握りしめた。ぎゅっと痛いくらいに。

二人のただならぬ雰囲気に、会場が静かになった。











「…それは、無理な話だな」



静かな会場に一人の声が響き渡った。
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