俺様社長と秘密の契約
「伊織兄さんも、なんか言ってよ」
麗美の後ろに居たのは、実の兄の伊織〔32〕だった。
「麗美の気持ちだけ押し付けても、ダメだろ。龍吾君の気持ちは、ずっと変わらなかったんだ。
…でも、今まで話が進んでいたのに、なんで今更、結婚を白紙に戻そうと思ったんだ龍吾君、君の真意が知りたいな」
麗美とは真逆な態度で、とても落ち着いた伊織。180センチほどの身長に、黒のストレートの髪。さっぱりとした髪型で、銀縁の眼鏡をかけている。女性が見たら、絶対惚れそうな容姿だ。
「…先日お話しした通りです」
真剣な面持ちで、そう言った御堂社長。
「…君にはずっと、心に決めた人がいると言うことだな?」
「…はい」
伊織の言葉に頷いた御堂社長。
私はそれを見て、胸が締め付けられた。
…御堂社長には、想いを寄せる人がいる。…私なんか太刀打ちできない人が。
ショックを隠せないまま、そこに立ち尽くした。
「…そうですか。…麗美、龍吾君の気持ちがお前にない以上、このまま結婚の話を進めても、麗美は幸せにはなれない。
私は、麗美が幸せにならない結婚は認められない。今回は諦めなさい」
そう諭した伊織だったが、麗美は諦められなかった。
「…私は、諦めないわ」
麗美はそう捨て台詞を吐き、社長室を出て行った。
一歩遅れて、伊織も社長室を出て行く。
私はそれを追いかけた。
麗美の後ろに居たのは、実の兄の伊織〔32〕だった。
「麗美の気持ちだけ押し付けても、ダメだろ。龍吾君の気持ちは、ずっと変わらなかったんだ。
…でも、今まで話が進んでいたのに、なんで今更、結婚を白紙に戻そうと思ったんだ龍吾君、君の真意が知りたいな」
麗美とは真逆な態度で、とても落ち着いた伊織。180センチほどの身長に、黒のストレートの髪。さっぱりとした髪型で、銀縁の眼鏡をかけている。女性が見たら、絶対惚れそうな容姿だ。
「…先日お話しした通りです」
真剣な面持ちで、そう言った御堂社長。
「…君にはずっと、心に決めた人がいると言うことだな?」
「…はい」
伊織の言葉に頷いた御堂社長。
私はそれを見て、胸が締め付けられた。
…御堂社長には、想いを寄せる人がいる。…私なんか太刀打ちできない人が。
ショックを隠せないまま、そこに立ち尽くした。
「…そうですか。…麗美、龍吾君の気持ちがお前にない以上、このまま結婚の話を進めても、麗美は幸せにはなれない。
私は、麗美が幸せにならない結婚は認められない。今回は諦めなさい」
そう諭した伊織だったが、麗美は諦められなかった。
「…私は、諦めないわ」
麗美はそう捨て台詞を吐き、社長室を出て行った。
一歩遅れて、伊織も社長室を出て行く。
私はそれを追いかけた。