俺様社長と秘密の契約
私の言葉に、怪訝な顔をした御堂社長。
・・・でもだってそれ以外、私とこんな関係を取る必要性が見当たらない。

「…想いを寄せる人がいるなら、その人に想いを告げてください。
…そしたら、私とこんな関係を続ける必要はないですよね」

私の言葉を聞いた御堂社長は、フッと笑った。

「・・・何が可笑しいんですか?」

「…そんな事が出来るなら、当にやってる・・・。
想いを告げたところで、叶う筈がないから、告げないまでだ。

…それと、お前との関係は、想った人の代わりなんて一度も思った事はない。
お前だから、こんな関係になったまでだ」

そう言い終えると、私を放した御堂社長は、デスクに戻ると、
いつものように、何事もなかったように仕事を始めた。


…私だから?…私は、代わりじゃない?
そんなのウソに決まってる。
・・・御堂社長なら、どんな女性も手に入るだろうに。

・・・自分の想いが、叶わない程の相手って、一体誰なんだろう。

…それが誰であっても、…決して、私ではないと言う事は、
分かりきった事だけど・・・。


・・・小さく溜息をついた私も、デスクに戻り、仕事を再開した。
…それなのに、横にチラつく御堂社長の影が、私の集中を阻害した。

…どうすれば、この想いを絶ちきる事が出来るんだろう。
そんな事を考えたところで、すぐに浮かぶはずがなかった。
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