俺様社長と秘密の契約
時間はあっという間に過ぎていく。
・・・悩みに悩んできた服を着て、御堂社長の前に出る。

「…他に服はなかったのか?」

そう言って溜息をつく御堂社長。

「すみません、突然の事でしたので、これが精一杯です」

私は俯いた。


「…少し遅刻するかもしれないが」

「・・・え?」

「さっさと乗れ」

「・・・はい」

不機嫌なままの御堂社長は、車を発進させた。

・・・・・・。


「・・・あの、ここ、会場ではないですよね」

「当たり前だ、見ればわかるだろ」

そう言うなり、車を降りた御堂社長は私を連れて店の中へ。
ここは有名なブランドのお店。
そこに入るなり、辺りを物色して、御堂社長は、
ワインレッドのロングドレスと、白のファーを取ると、私に押し付けた。


「これにさっさと着替えろ、金の事は気にするな、時間がない。
俺は車で待ってるから」

そう言うなり、御堂社長はさっさと会計に行っていた。
…本当に強引な人だ。

私は仕方なくそれに着替える。
…これで、パーテイーに行けと?
私はカーテンの外に出る事すら躊躇ってしまった。
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