俺様社長と秘密の契約
車は高速に乗り、水族館を目指した。
…水族館に来るのは、小学生以来か?
そんなことを思いながら、車は、駐車場に入った。

車を降りた俺たちは、入り口まであるいていく。
…理子は、俺の一歩後ろを歩いていることが面白くない。

「…え⁈」
突然手を掴まれ引っ張られた理子は、当然驚いている。

「こんな時は、並んで歩くもんだろ」
それだけ言って、理子の手を握りしめたまま、入場した。

最初は戸惑っていた理子だったが、余程水族館が好きなのか、俺に色々と説明を始め、イルカショーでは、かなり楽しそうにしていた。
それはそれは、目をキラキラと輝かせて。

俺はといえば、楽しそうにしている理子を見ている方が、ずっと楽しかった。

…水族館を全て見終わった。

「…社長」

「…こんな所でその呼び方は、どうかと思う」

俺の言葉にハッとした理子。
…しばし考えた理子の答えは…

「…御堂さん」
「…⁈…却下」

「…」
「…他の呼び方もあるだろ?」
分かっているのに、言わない理子に、もう1度同じ事を言った…

「…龍吾、さん、でいいですか?」
やっと、そう呼んでくれて、思わず頬が緩む。

「2人の時は、いつもそれで呼ぶように。…で?なんの話?」

「…今日は、水族館に連れて来てくれてありがとうございました。1人も楽しいけど、2人はもっと楽しかったです」

そう言って、理子は満面の笑みを見せた。
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