俺様社長と秘密の契約
「…貴女と御堂社長の関係が、麗美にばれたんです」

「麗美が、探偵を使って、御堂社長を調べた。…麗美の怒りは、今貴女に向かってます。私はただ、貴女をまもりたい。…嘘でもいい、私の恋人になってください。…それが、社長を守ることにもなるんです」

「…」
御堂社長を守る為に、私が出来る事は。

「…理子さん」

「…少し、考えさせてください」

「…わかりました」

話を終え、伊織は私を家の近くまで送ってくれた。
…。

伊織が助手席を開けてくれて、降りた私の目線の先に、…、御堂社長がいた。

…その顔は、怒ったような、悲しいような、複雑な表情。

私は言葉を失った。
そんな私の目の前に、伊織が立ち塞がった。
「…うちの秘書と、なにを?」

御堂社長の表情は固い。

「…私が強引に食事に誘って、今、送り届けたところです」

伊織の表情は、御堂社長とは対象的な顔。柔らかな笑顔。

「…清水はうちの大事な人材です。勝手に連れ出されては困ります。今後こんな事はやめていただきたい」

そう言って、私の手を取ろうとする御堂社長。…でもそれは伊織によって、阻止された。

「…彼女は誰の物でもない。彼女は彼女の物です」

「…」

「御堂社長、貴方は、今後の身の振り方を考えるべきだ。大企業の主なんですから」

「…どういう意味だ?」

「すぐにわかります。…それでは私はこれで、理子さん、よく考えて下さい」

そう言って、伊織は帰って行った。
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