俺様社長と秘密の契約
『私、知ってるのよ。貴方と秘書の子の淫らな関係…貴方は男ですもの、仕方ないかもしれない。…でも、秘書の子、あの子だけは許さない。貴方があの子から離れて、私のモノにならないなら、あの子がどうなっても知らないから』

突然、麗美からそんな電話がかかってきた。…どこでも気にせず、理子に接していた。何処かで見られてもおかしくない。ばれたところで、悪い事をしたとは思ってない。

…だが、麗美の言葉がひっかかった。
あの子を許さない。…その言葉が。

俺は、指定された場所に向かった。
…俺は何をされても構わない。だが、彼女には、理子にだけは、手を出すな、傷つけるなんて、許さない。

…、着いた所は、ホテルの一室。
ドアをノックすると、麗美が出てきた。

「…入って」
「…」

部屋の中には、高瀬物産の社長もいた。

「…よく来たな、御堂君」
「…」

「結婚の事、考え直してくれたかな?」
「…私の気持ちは変わりません」

「…君も、大企業の社長だろ?麗美との結婚を取り止めたら、どうなるかわからないか?」

「…取引の停止、ですか?」

俺の言葉に、高瀬社長は何も言わず、ほくそ笑んだ。

「麗美、後はお前に任せるぞ。お前が決めた事に、私は従う」

そう言って、高瀬社長は部屋を出て行った。
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