俺様社長と秘密の契約
そんな理子を、伊織は肩に手を添え引き寄せた。
…その行動に、ピクリと眉を動かした俺。麗美はフッと笑みを浮かべる。

「…理子、それがお前の答えか?」
「…」
俺の質問に、眉をひそめる理子。

「…いいじゃない、伊織兄さんに、その子は、お似合いだ…⁈」

言い終わらないうちに、俺は麗美の横を通り過ぎる。

「…龍吾さん‼︎」

「「…」」

俺の行動に、麗美は怒りを露わにする。
伊織は、怪訝な顔をした。

…理子は、何が起きたのかわからないと言った表情で、固まっている。

…ゆっくりと、俺の唇が理子の柔らかな唇から離れた。

「…これが、俺の答えだ」
「…龍吾さん、ふざけてないで!」
麗美はそう言いながら、ワナワナと、怒りで震えている。

「…御堂、お前」
伊織は、俺の手を力一杯握りしめた。…痛いくらいに。

「高瀬専務、あんたに理子は扱えない。
…麗美、俺が理子の傍にいる以上、指一本触れさせない」

「…御堂社長」
理子の目は、潤んでいた。
…俺は理子を安心させようと微笑んだ。
だか、理子は必死に首を振る。
俺に何かを訴えるかのように。

「行くぞ、理子」
俺は強引に理子を連れて行く。

「社長、離してください、私は」
「…理子を守れるなら、離れた方がいいと思った。…だか、違った。この手で理子をまもりたい。だからもう、お前を離さないって決めた」

車に向かいながら言う。

「…でも、私が傍にいたら、会社が」
理子の言葉に足を止めた。

「…会社なんて、どうにでもなる。だから、お前はただ、俺の傍にいろ、いいな?」

「…そんな事言われたら、私、止められなくなります」

「…」
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