俺様社長と秘密の契約
「9時から重役会議。…11時から、高瀬物産の高瀬社長と会食。

3時から、視察がありまして、5時から御堂支社の社長との会合。

7時から三井商事の会長と会食が入っております」



「…相変わらず、ハードスケジュールだな」

そう言って溜息をつく御堂社長に、私も溜息をつく。

社長なんだから当たり前でしょう?もっとしっかり、仕事をしてほしいものだ。

この3年間、御堂社長を凄いと思った事はただの一度もなかった。


…だって、何時もどこか、ゆったりしてて、社長って重い役の人には思えなかった。


・・・そんな御堂社長を何とか支えようと、

どんなハードスケジュールもしっかりサポートしてきたつもりだった。


…午後7時。最後の仕事。

三井商事の会長との会食。…そこで私は、ちょっとした失敗をしてしまった。

今日に限って真新しいパンプスを履いていて、靴擦れをしていた。

それがいけなかったのか、私は痛い足をかばったせいで、ヨロケテしまい、

三井会長に倒れ込んで・・・・。


「申し訳ありません」

・・・しまわなかった。・・・・御堂社長がすんでの所で私の体を支え、

助けてくれた。


「いえいえ、構いませんよ。何なら、そのまま倒れこんでくれても構わなかったのに。

こんなに綺麗な女性なら、大歓迎ですよ」

そう言って三井会長は笑ってくれて、胸を撫で下ろした。


・・・そんな時、突然、御堂社長の携帯が鳴り、席を外した。

…部屋の中は私と三井会長の二人、…とっても居づらい。
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