俺様社長と秘密の契約
「…神宮寺社長」
「…御堂龍吾、まだここに足を運んでいたのか」

龍吾の顔を見た神宮寺社長は、顔を歪ませた。
…神宮寺社長、お爺様の弟。神宮寺辰彦。

「…やっと、俺の時代が来たのか。
全く、長かったよ、兄貴」

「…神宮寺社長、こんな所で、そんな話しはやめてください」
龍吾が、一喝する…が、神宮寺社長は、素知らぬ顔。
実の兄弟が亡くなったと言うのに、なんて心の冷たい人なんだろうと思った。

「…御堂、お前の横にいる女は誰だ?」
「…矢沢、理子です。会長の娘、真理さんの実の娘さんです」

「⁈」
龍吾の言葉に、神宮寺社長は、驚きの眼差しで、私を見た。

「…神宮寺財閥の正当な後継者です」
私の言葉に、その場にいた皆が驚いていた。

…言った、私自身も、驚いたのだけど、そう言わなきゃいけない気がした。
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