俺様社長と秘密の契約

…全てに目を通した私は、手の震えが止まらなかった。

「…理子、どうした？」
御堂社長は心配そうに私の顔を覗き込む。

「…龍吾さん、私、とんでもない物を貰い受けてしまったかもしれません」

そう言って、手紙を御堂社長に見せた。

「…これは、本当に凄いな。
…とにかく、明日1度、竹田さんの所に行ってみようか」

私は震える手を握りしめ、しっかりと頷いてみせた。

…。
次の日の夜、仕事を終えた私達は、再び神宮寺邸を訪れた。

応接室に通された私達は、目を見開く。

「…また、お前達か、何しに来た？
まさか、本当に神宮寺の後を継ぐつもりか？」

そう言って、鼻で笑ったのは、神宮寺社長。私や御堂社長をよく思っていないのはわかっていたが、悔しくて、唇を噛み締めた。

「…必要な人は全て揃いました。こちらは、弁護士の須藤さんです。神宮寺会長の代理人として、遺言書を預かってくださっていました」