俺様社長と秘密の契約
「…須藤さん、私と龍吾さんは、まだ、その…結婚とかはしてないんです」

「承知してます」

「話しを進めるのは、もう少し、待ってくださいませんか?」

「…そうですね。御結婚なされてからの方が、変な勘ぐりをされなくていいと思います。…これからが大変です。神宮寺社長のように、反対する輩がたくさん出るでしょう、ですが、弁護士である私も、執事である竹田さんも、全力で、理子様お守りさせて頂きます。それが、会長と交わした約束ですから」

そう言って、須藤は、微笑んだ。

…私は独りじゃない。龍吾も、須藤さんも、竹田さんもいる。
お爺様の為に、何か役に立ちたい。

影でずっと見守ってくれた、お爺様の為に。

「…まずは、御堂会長を説得しないとな」

「…会長って、龍吾さんのお父さん?」

「そうだ…
それと、分からず屋の放浪ばかりしてる弟と」

「…弟?…龍吾さんて、兄弟がいたんですか?」

知らなかった。…今まで、一度も見たことがなかったから。
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