俺様社長と秘密の契約
「何で知ってるんだって顔だな」

そう言った御堂社長は意味深な笑みを浮かべた。

…私は今の状況が全くつかめなくて困惑するばかり。


「これ、俺が付けたんだから、知ってて当たり前」

「…ぅ、そ」

声にならない声を発した私を見て、御堂社長はフッと笑った。


「自分の上司に、あんな時間に電話してきて、

サッサと来いとかぬかしやがって」


「・・・・」

…私、そんなことしたの?…酔った勢いとは言え、よくもそんな大胆な事。


「何事かと思って行ってみれば、酔っぱらってるし、

俺の顔を見た途端、送ってけだってふざけた事を」


「す、すみません」

自分のしでかした失態を、ただただ謝るしかできない。


「…頭に来たから、それ付けた」

「・・・」

キスマーク・・・の事だよね。


「ついでにちゃっかり契約した」

「…契約って」

「お前と俺の二人きりの時は、お前に俺が何をしようが、

文句は言わせないって契約」

・・・その言葉に、青ざめていく。

…一体何をするおつもりなんでしょうか?

そう考えるとゾッとする。
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